保育所の定員枠拡大等にともなう、育児環境の悪化の改善を~6月議案外質問③
(森 本) つぎに、保育所の増設についてお聞きします。
政府は保育所について「待機児童ゼロ作戦」と称して、「最小のコストで最大の受け入れ」と定員を超えての入所をすすめています。1998年には保育所の定員の125%まで入所させてもよいと規制緩和し、2001年にはその枠もなくしました。
その結果、国の最低基準さえ下回る状況がつくられています。
神戸市では、国のつめこみ保育に便乗し、条例施行規則(神戸市立児童福祉施設等に関する条例施行規則)に定められた定員を越えての受け入れをおこなっています。
国の最低基準では、0歳児と1歳児1人あたり1.65㎡以上の乳児室の設置と、3.3㎡以上の、ハイハイするための部屋を設置することが義務づけられています。
しかし、神戸市は、0歳児の部屋単体では基準に満たない実態があるのに、国の基準を独自に解釈して「0歳児は、5歳児の部屋にもいくので、5歳児の部屋の面積の一部もふくめると、最低基準をクリアしているので問題はない」としています。
現場では、年齢別の保育をおこなっており、0歳児が5歳児の部屋にいくことはありません。実態は、0歳児はハイハイ(這い這い)するスペースもない状況なのです。
また、1歳児のクラスでは、室内で音楽に合わせて、子どもが体を動かそうにも、周りの子どもたちと手や足がぶつかり、満足に動けない状況です。狭い部屋での過密な保育を押し付けているため、子ども同士の「かみつき」や「ひっかき」など問題行動が増えています。さらに、0歳児や1歳児の昼食も、部屋が狭いために、2回にわけて行わなければならないところもでています。
定員を超えて子どもを受入れのための職員体制は、正規保育士の増員でなく、1日5時間のアルバイトやパートでの対応です。このため、正規職員への負担増となっています。
市内の保育所のつめこみ保育はもう限界です。
そもそも、保育所の定員は、子どもたちによい保育環境をということでつくられているはずです。待機児解消を理由に、子どもたちに劣悪な保育環境を押し付ける結果になる「定員を越えての入所」というやり方は改めるべきです。
我が会派はもちろん、市民もこれまで、公立保育所の増設を要望してきました。しかし、神戸市はこの声を無視してきたのです。税源移譲により、これまで保育所の国庫補助分が一般財源化されたことについても「実際、これまで国が負担していた額はわかるが、満額が入ってきているかどうかは難しい」などと言って、市民の保育環境整備の声に背を向けています。
ところが、神戸空港については「地方交付税は満額入っている」として、毎年一般会計から繰り入れているではありませんか。これでは、保育所よりも空港を優先しているといわれてもしかたがありません。
神戸市の未来を担う子どたちと若い親たちを応援するために、公立保育所の増設こそ必要であり、待機児を解消し、子どもが豊かに発達できる保育環境を整備すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
(梶本副市長) 子どもの発達を保障するために、公立保育所を設置すべきだというが、本市の保育事情は女性就労などで、少子化にもかかわらず増加の一途だ。入所児童は平成21年4月で19,094人、うち待機児童は483人であり、待機児童の解消を最優先課題として位置づけている。国の少子化対策の交付金を活用して、平成11年度~20年度で大幅な受け入れ枠を拡大してきた。20年度までの期間で5300人の定員増の整備をしてきた。さらに平成21年度の当初予算でも450人分の整備を図り、今期の補正予算で330人の整備をする。21年度中では780人の増が可能だ。保育所の受け入れ枠拡大では、国においても平成13年の厚労省通知で、待機児童がある場合は定員を超えた受け入れを進めるという必要性を示している。公立保育所は厳しい財政状況の中、既存の設備を有効活用することで、待機児童解消に努めている。
保育室棟の面積は、児童福祉施設の最低基準に規定がある。保育所全体の面積で、合計の面積を上回ることになっている。受け入れ枠の拡大を図ってもなお、認可保育所の全てで遵守されている。増設については、本市の財政状況を考えるときわめて厳しいと考えている。施設整備については民間移管によって捻出された財源の一部で、優先順位をつけながら、保育室の改善、機械の装備や導入、フェンスのかさ上げ、段差解消等、子どもたちの安全を確保するための対策など、きめ細かな対応をしている。
補正でも遊具の更新、屋上の防水などを実施していく。生活環境安全確保に努力する。待機児童解消については、今後も待機児童の多い地域を中心に、これまでどおり民間整備をすすめていく。既存の設備の活用など、多様な手法を活用することで、解消を図っていきたい。
(森 本) 保育は、全体の面積が良かったらいいというが、実際、保育現場を見てきて下さい。
1歳児も詰め込まれているようなの現場、昼寝するときは、その部屋全体を使わないと出来ない、そういう実態があちこちで見られている。子どもたちにとっては過密保育がやられている。年齢別の保育になっているので、ちゃんと調査をして、保育環境の悪化を解消すべき、調査していただけるかどうか。根本は、公立保育所を増設しないといけない。副市長が言われたが、私立でなく公立を増やせば、場所もあり、人員も確保できる。すぐにも出来る。増設すべきだ。
(梶本副市長) 公立保育所が全市で71箇所あるが、入所状況を把握しているのが4月1日現在で、100%入っていない定員割れが45か所、110%以上が14箇所で、大半のところ6割余りが100%だ。個々の状況については、民間移管に伴う財源確保で、すべての保育所について実態は把握している。
★朝日新聞6/29「待機児童、首都圏で急増 94市区調査、共働き影響」
http://www.asahi.com/edu/kosodate/news/TKY200906280235.html
※「詰め込み」状態の写真あり
<お詫びと訂正>
議案外質問が神戸市会のホームページに映像が公開されると書きましたが、第2回定例議会は公開されません。公開されるのは第4回の議案外と第1・第3の代表質疑でした。
日本共産党市議団は本会議など映像による公開を要求しています。
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